楕円曲線の等分体のイデアル類群について
代数学セミナー
開催期間
2025.6.13(金)
15:00 ~ 15:45
15:00 ~ 15:45
場所
C-513 中講義室および Zoomミーティング
講演者
臺信 直人 (九州大学)
概要
講演概要:円分体の整数論における興味深い現象の一つに、Herbrand—Ribetによる結果がある。これは円分体のイデアル類群とゼータ関数の特殊値との深い関係性を主張し、後に岩澤理論の主予想へと昇華された大変重要な結果である。最近、PrasadとShekharにより、ある非可換な設定におけるHerbrand—Ribetの結果の類似が研究され始めた。彼らは有理数体上の楕円曲線の等分体のイデアル類群と、楕円曲線のL関数との間に、Herbrand—Ribetの結果に類似した関係性があることを期待し、それを一部実現した。本講演では、講演者がこれまでに得たPrasad—Shekharの仕事の一般化、及び精密化についてお話しする。特に、等分体のイデアル類群と楕円曲線のp進L関数との間に、彼らの結果を部分的に精密化する新しい関係を発見したことを中心に述べる予定である。