スキャン統計量を用いた空間疫学研究における複数クラスタ検出法
統計科学セミナー
開催期間
2023.10.20(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
C501大講義室
講演者
高橋 邦彦(東京医科歯科大学 M&Dデータ科学センター)
概要
空間疫学研究において疾病の発生が集積している地域(クラスタ)を検出するため,スキャン統計量を用いた疾病集積性の検定が利用される.代表的なものとしてKulldorff (1997)のcircular scan statisticやTango and Takahashi(2005)のflexible scan statisticなどが提案され広く使われている.しかしこれらの方法では単一クラスタの存在を仮定したモデルを想定しており,複数クラスタが存在する場合には,単一クラスタの検出を繰り返し適用することで評価が行われている.そのため従来の方法では複数クラスタを同時に評価することはできなかった.本発表では,まずTakahashi and Shimadzu(2018,2020)で提案された複数クラスタの存在を仮定し最適なクラスタ数を選択する情報量規準に基づく複数クラスタの評価法を紹介する.さらにホットスポットクラスタの同定精度をより向上させるための改良について議論する.