オープン
キャンパス

OPEN
CAMPUS

九州大学理学部数学科オープンキャンパス2024へようこそ!

2024年度は8月3日(土)に伊都キャンパスにて開催されます。事前予約については、7月11日(木)に受付開始予定です。詳細は下記をご参照ください。(2024/7/2更新)
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/admission/opencampus/

ごあいさつ

今回は理学部数学科のオープンキャンパス(のページ)を訪れていただいてありがとうございます。 ここに来られたみなさんは数学に興味があると想像します。下には、理学部数学科の先生方が数学の様々な 話題について「模擬授業」としてビデオを公開しています。 是非視聴してみて下さい。もし理学部数学科への入学に興味が湧いたら、数学科の「学科紹介パンフレット」も参考に将来への進路として是非数学科への進学を検討していただければと思います。

数学科のメリット

  • 数学は基礎的な分野で、流行り廃りが少なく、時間的な変化が緩やか。数学の基本を学ぶには相当な時間がかかるが、身につければ一生役に立つ。
  • 数学科の定員は(少なくとも海外と比べると)比較的少なく、一方で、数学ができる学生への社会での需要は徐々に高まっている。(結果として就職では比較的有利。)
  • 拘束時間が比較的短い。

模擬授業

ここには、九大数学科の教員による模擬授業を掲載しています。皆さんご存じの整数論や方程式に始まり、組合せ数学、折り紙、感染症数理、更に数学の様々な応用といった幅広いテーマを取り扱っています。

2024年

  • 1+1=2は本当?商空間の話
    時間: 10:10~11:00
    部屋: ウエスト1号館 4階 W1-D-413

    廣島 文生 教授
    「数学の世界にいない人」に「1+1は,なぜ2?」と聞かれることがあります.「数学の世界にいる人」からみると,「なぜ1+1=2だと思っているの?」と聞き返したくなります.つまり,一般に1+1=2ではないので「1+1はなぜ2?」と問われても答えようがありません.模擬授業では足し算,掛け算,商空間の話をします.これが理解できれば「なぜ1+1=2だと思っているの?」の気持ちもわかります.
  • ある数学者の四方山話 2024
    時間: 10:10~11:00
    部屋: ウエスト1号館 5階 W1-C-501

    松江 要 教授
    大学の先生をはじめ、数学の研究と追及を生業にしている人たちは「数学者」と呼ばれています。昨今、数学者のあり方も多様化しています。ここでは九大数学科の様子や、今の時代でもまだ特殊と思われる数学者(講演者)の生態、および大学生になろうとする高校生、数学者に限らず社会に出る人間の心構えの1つを、これまでの経験をもとに語ります。肩肘張らず、気楽に聴くのが良いです。 似たテーマで昨年度も喋りましたが、1年経って取り巻く状況が大きく変わりました。 皆さんの場合は、1年どころか、1日ごとに状況がどんどん変化していくかもしれません。 当日は、この点も踏まえて喋ります。
  • ウクライナとバナッハの数学
    時間: 10:10~11:00
    部屋: ウエスト1号館 講義棟302

    佐藤 康彦 准教授
    第2次世界大戦による惨禍は忘れてはならない歴史的な事実ですが、特にポーランドやウクライナは壊滅的な被害を受けた事で有名です。その戦禍の広がる10数年前に、現在では「関数解析」と呼ばれる数学の分野がウクライナのリヴィウ(当時はポーランド領) で花開きました。リヴィウに集まった数学者達はバナッハ空間の名前で知られるバナッハを中心人物とし、未解決問題の懸賞金としてワインやウイスキーをかけ数学を発展させた事が知られています。オープンキャンパスに参加される皆さんにお酒を懸けることはできませんが、私の講義ではバナッハの不動点定理などを題材にリヴィウで発展した数学の楽しさを紹介したいと思います。
  • 整数論と和公式
    時間: 13:00~13:50
    部屋: ウエスト1号館 4階 W1-D-413

    権 寧魯 教授
    “数”のもつ様々な性質について研究する数学の一分野である「整数論」では、有限・無限数列の和を調べる道具である“和公式”が重要な役割を果たす。この講義では、いくつかの和公式を紹介し、“発散級数”の評価、“素数分布”等への応用を紹介する。
  • 相関のその先って?
    時間: 13:00~13:50
    部屋: ウエスト1号館 5階 W1-C-501

    川野 秀一 教授
    高校では2種類のデータ間の関係を測る方法として、相関ならびに相関係数を勉強します。相関は便利な道具ですが、「関係がある」または「関係がない」といった程度のことしかわかりません。また、2種類のデータ間の関係が直線的でない場合には、相関ではその関係を測ることはできません。そこで本模擬授業では、相関のその先の方法を紹介します。具体的には、予測の観点からの回帰、および非線形の関係の捉え方を紹介します。
  • 暗号技術-インターネットの安全を守る数学問題-
    時間: 13:00~13:50
    部屋: ウエスト1号館 講義棟302

    池松 泰彦 准教授
    インターネットは、多数のコンピュータからなるネットワークであり、このネットワークを介してデータの送受信が行われます。その結果、私たちはネットショッピングやSNSなどの様々なオンラインサービスを楽しむことができます。しかし、インターネットは本当に安全でしょうか?なぜ安心してネットショッピングができるのでしょうか、なぜ安全に友人とメッセージのやり取りができるのでしょうか?実はそれらを実現するためには暗号技術が大きな役割を果たしています。この暗号技術を使うことで、ネットショッピングでクレジットカード情報を安全に送信することができ、友人から送られてきたメッセージが本物であることを確認できます。そしてこの暗号技術には素因数分解などの数学問題が重要な働きをしています。この講義では、数学問題をどのように使うことでインターネットの安全を守っているのかを解説します。
  • 因子分析入門
    時間: 14:20~15:20
    部屋: ウエスト1号館 4階 W1-D-413

    廣瀨 慧 教授
    因子分析はデータ解析手法の一つで、例えば5教科のテストの成績から「理系能力」や「文系能力」といった観測されない因子を見つけ出すことができます。この手法は、モデルに「因子」を取り入れることで、データの背後にある構造を明らかにします。また、時系列解析やニューラルネットワークなどの手法とも密接に関連しています。100年以上前に提案された因子分析ですが、その数理は依然として謎のベールに包まれています。この模擬授業では、因子分析の基礎から最新の研究内容まで、幅広く紹介します。
  • 確率論で(少し)理解する感染症の伝播
    時間: 14:20~15:20
    部屋: ウエスト1号館 講義棟302

    原 隆 教授
    感染症の伝播の理解とその対策は,現代社会に生きる我々にとって非常に重要な問題です.この模擬授業では,感染症の伝播がどのように起こるのか,確率論のモデル(パーコレーション)を用いた考え方を紹介します.このパーコレーションを用いた考え方は特に定性的な理解に適しており,通常行われる微分方程式を用いた記述と相補的なものになっています