公開講座

現代数学入門

九州大学大学院数理学研究院とマス・フォア・インダストリ研究所 は、福岡県教育委員会の後援を得て、高校生を含む市民の皆様に楽しい数学の心をお伝えするため、毎年講座を開講しています。

2023年度の公開講座

概要

8月9日(水) 10:30~12:30, 13:30~15:30
ひと筆書きの散歩道
講師: 鍛冶静雄(マス・フォア・インダストリ研究所 教授)

講義録

8月10日(木) 10:30~12:30, 13:30~15:30
場合の数とべき級数
講師: 斎藤新悟(基幹教育院 准教授)

開催日時

2023年 8月9日(水) 10時30分 ~ 12時30分, 13時30分 ~ 15時30分
2023年 8月10日(木) 10時30分 ~ 12時30分, 13時30分 ~ 15時30分
両日とも、午前午後の4時間を通して1つのテーマについての講演です。

会場

九州大学伊都キャンパス ウエスト1号館 D棟4階 IMIオーディトリアム
Zoomウェビナーを用いたハイブリッド形式

受講料

無料

定員

現地 90名、Zoom 1000名

申込期間

現地参加: 2023年 6月 12日(月)〜 2023年 7月 28日(金)【必着】
Zoom参加: 当日まで受け付け可能

後援

福岡県教育委員会

ひと筆書きの散歩道(8月9日)

講師:鍛冶 静雄 (九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 教授)

数学という学問は新しい理論や定理の発見を主たる目的としています.数学において新しい理論が作られる時,それはおよそ次のような流れを取ります。
1. 科学や実社会に現れる現象から新しい問題を提起し
2. それを記述する為の数学的な言葉・枠組みを導入し
3. その枠組みの中で多くの実験(計算)・検証を行って予想を立て
4. 予想に対して論理的な証明を与え
5. 同種の問題などに広く適用できるように得られた定理を改良する。
この講座では,「どのような図形が一筆書きできるだろうか?」という身近な問題を題材として,上に挙げた行程が実際にどのように進んでゆくのかを紹介します。この問題自体はよく知られていて,既に答えをご存知の方もいらっしゃるでしょう。そういう方にもこの講座を楽しんでいただけるように,随所で寄り道を交えながら,素朴な直感が厳密な数学の言葉で綴られるまでを散策してみたいと思います。

場合の数とべき級数(8月10日)

講師:斎藤 新悟(九州大学 基幹教育院 准教授)

「○○の個数を求めよ」,「○○は何通りあるか」といった場合の数の問題は高校でもよく出てきます。一方,べき級数は「無限次の多項式」のことで,大学で微分積分学を学んだ方は,三角関数,指数関数,対数関数などがべき級数で表せることをご存じかもしれません。両者は一見何の関係もなさそうですが,べき級数の係数がどのような場合の数の問題に対応しているかを調べてみると,面白い現象がたくさん見つかります。この講座では,さまざまな具体例を計算することで,場合の数とべき級数の関係を見ていきたいと思います。

過去の公開講座

  • 2023年度

    概要

    ひと筆書きの散歩道(鍛冶静雄)

    講義録

    場合の数とべき級数(斎藤新悟)

  • 2022年度

    概要

    基本群入門(蔦谷 充伸)

    データを集めて分析する(佃 康司)

  • 2021年度

    概要

    素数と幾何学(勝田 篤)

    講義録

    和公式と解析数論(権 寧魯)

    講義録
  • 2020年度

    新型コロナウィルス感染拡大により中止

  • 2019年度

    概要

    確率論の極限定理(と臨界現象)(原 隆)

    講義録

    データ解析と統計学(廣瀬 慧)

    講義録
  • 2018年度

    概要

    回転成層流体の数理(髙田 了)

    超平面配置の数学(阿部 拓郎)

    講義録
  • 2017年度

    概要

    オイラー数と幾何学とトポロジー(笹平 裕史)

    同期現象の数理(千葉 逸人)

  • 2016年度

    概要

    統計的モデリングの数理(増田 弘毅)

    格子の最短ベクトル問題と暗号応用(安田 雅哉)

  • 2015年度

    概要

    マトロイドと離散最適化(神山 直之)

    ラマヌジャンの最後の手紙(樋上 和弘)

  • 2014年度

    結び目の数学 --結び目をつくる、結び目をほどく(高田 敏恵)

    非可換性と無限次元(増田 俊彦)

  • 2013年度

    単細胞のかしこさ(手老 篤史)

    アーベル多様体と数論(田口 雄一郎)

  • 2012年度

    剰余類で遊ぶ --オイラーの定理とその応用--(佐藤 榮一)

    誤りを訂正する数学(平岡 裕章)

  • 2011年度

    シャボン玉はなぜ丸いか --曲面の変分問題と自然現象--(小磯 深幸)

    真空の力を生む素数たち --ゼータを通した無限の計算(若山 正人)