複数の接触交差が生成する小さな擬交差間の2準位断熱遷移確率
数理物理セミナー
開催期間
2023.10.26(木)
16:30 ~
16:30 ~
場所
C-716
講演者
渡部 拓也 (立命館大学)
概要
1回の線形交差によって生成される擬交差間の遷移確率を記述するLandau-Zenerの公式について,本研究では断熱近似(準古典解析)の枠組みで,この公式の一般化を考察する.断熱パラメータに加え,擬交差間のエネルギーギャップも小さなパラメータとして考察するとき,変わり点の合流に起因する問題により,典型的な準古典解析の理論が適用できない場合が存在する.特に,接触交差により生成される擬交差モデルに対して,上記の場合の遷移確率の断熱極限の問題は未解決であった.本講演では,複数回の接触交差によって生成される擬交差モデルに対して,Landau-Zenerの公式の一般化として得られた結果を紹介する.本研究は,樋口健太氏(愛媛大学)との共同研究である.
HP https://www3.math.kyushu-u.ac.jp/~hiroshima/mp.html