ベイズ非線形回帰に対する対数周辺尤度のスケーリング挙動
産業数理統計セミナー
開催期間
2023.11.2(木)
17:00 ~ 18:00
17:00 ~ 18:00
場所
C501大講義室
講演者
徳田 悟 (九州大学 情報基盤研究開発センター)
概要
アブストラクト:ベイズ的モデル選択は対数周辺尤度を最大化するモデルを最適とみなす統計的手法である。Schwarzは正則モデルに対する対数周辺尤度の漸近挙動を明らかにし、その近似としてベイズ情報量規準(BIC)を定めた。Watanabeは特異モデルの場合も含めてそれらを一般化した。 BICは一致性を持つが、観測データの質(ノイズ分散)を無視する極限での近似であり、対数周辺尤度がノイズ分散の大きさにどう依存するかは非自明な問題である。本講演では非線形回帰のセットアップにおいてノイズ分散と対数周辺尤度の間に成り立つ有限サイズスケーリング関係を導出し、自己平均性が成り立つが一致性は成り立たない極限におけるベイズ的モデル選択の典型性を示す[1]。
[1] S. Tokuda, K. Nagata & M. Okada, "Intrinsic regularization effect in Bayesian nonlinear regression scaled by observed data", Phys. Rev. Research 4, 043165 (2022).