Toward Gromov's Oka principle with growth conditions
福岡複素解析セミナー
開催期間
2024.5.21(火)
16:30 ~ 18:00
16:30 ~ 18:00
場所
W1-D-313
講演者
日下部 佑太(九州大学数理学研究院)
概要
アブストラクト:
岡潔がCousinの第二問題を解決した際に発見した岡の原理は、
ホモトピー原理の観点からGromovによって著しく一般化された。
Gromovの岡の原理は、楕円性と呼ばれる性質を持つ複素多様体
への連続写像が、定義域がStein多様体ならば正則写像に
ホモトピックであることを主張する。
同様に、代数多様体の圏においても代数的楕円性が定義され、
代数的な岡の原理の成立が期待されるが、アファイン代数多様体
から代数的楕円多様体への連続写像は代数的射にホモトピック
とは限らない。
一方で、Griffithsが1972年に至った考えによると、
位数有限正則写像と呼ばれる増大度条件付きの
正則写像まで射のクラスを広げることで
「代数多様体の圏の函数論的な閉包」が得られ、
そこでは岡の原理が成り立つと予想される。
本講演では、複素多様体の圏及び代数多様体の圏
における楕円性と岡の原理について両圏を対比
しながら復習し、位数有限正則写像に関する
Gromovの岡の原理を目指して得られた近似定理や
横断性定理について論じる。
https://sites.google.com/view/scvfukuoka/