Spectral theory for the d'Alembertian on Lorentzian manifolds
幾何学セミナー
開催期間
2024.6.28(金)
16:45 ~ 18:15
16:45 ~ 18:15
場所
W1-D-313
講演者
平良 晃一(九州大学)
概要
【講演要旨】Riemann多様体上のLaplacianのスペクトル(固有値)の研究は数理物理への応用,幾何学との関連性などの観点から多岐に渡り調べられている.近年ではLorentz多様体上のd'Alembertianのスペクトル理論が着目され,場の量子論におけるある物理状態の構成に用いられた他,Kassel-KobayashiによってRiemannの場合には起こらないような現象が発見された.一方で,微分方程式的な観点から見ればd'Alembertianは楕円型ではなく双曲型の作用素であるため非常に扱いが難しく,この研究分野は未だ発展途上である.本講演では,Laplacianのスペクトル理論における既存の研究をいくつか紹介した後に,d'Alembertianのスペクトルの基本的な性質について得られた結果を述べる.