テーブル引きを用いてAESを秘密計算する新方式MAESTRO
暗号学セミナー
開催期間
2024.7.3(水)
16:30 ~ 18:00
16:30 ~ 18:00
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 IMIオーディトリアム W1-D-413 *オンライン(Zoom)とのハイブリッド開催
講演者
森田 啓(Aarhus University, University of Copenhagen)
概要
Abstract:
秘密計算は複数のサーバーが暗号化された入力(暗号文)を受け取って、復号することなく暗号文のまま所望の計算を行う技術です。加減算は軽量に計算できますし、乗算も前もって準備した乱数を用いたりサーバー間で通信を行うことで実行可能であることが知られています。理論的には任意の関数が秘密計算できるのですが、実際に実装すると複雑な関数を秘密計算をする際には時間がかかったり通信量が多くなったりします。そこで多くの暗号研究者が複雑な関数の秘密計算を効率的に行うにはどうしたらいいか日々検討しています。複雑な関数の一つであるAESを秘密計算することは、秘密計算のテクニックのベンチマーク的な役割を果たすとともに、秘匿AESの実装じたいが様々な応用先のある技術です。今回のセミナーでは秘密計算に関する知識を仮定せずに、最新の研究結果であるテーブル引きを用いて効率的に秘匿AES計算を行うMAESTRO方式を紹介します。
この研究成果は、 E. Pohle (KU Leuven), K. Sadakane (東大), P. Scholl (Aarhus
University) , K. Tozawa (東大), D. Tschudi (Concordium)
との共同研究によるものです。
(連絡先:縫田 nuida@imi.kyushu-u.ac.jp )