Hecke固有値の代数的整数性とHecke体の次数評価への応用
開催期間
2024.7.11(木)
16:30 ~ 17:30
16:30 ~ 17:30
場所
D-414 IMIコンファレンスルーム
講演者
杉山 真吾 (金沢大学)
概要
日時:2024年7月11日(木)
16:00〜16:30 ティータイム(談話室,ウエスト1号館C棟5階 C-515 号室)
16:30〜17:30 講演(IMIコンファレンスホールD-414)
講師: 杉山真吾(金沢大学)
題目:Hecke固有値の代数的整数性とHecke体の次数評価への応用
概要:保型形式の空間にはある種のHecke環が作用し、Hecke環の生成元の作用によってHecke作用素が導入される。
この作用素の固有値はFourier係数の代数的整数性や保型L関数の無限積表示といった整数論的性質を導く。
ゆえに、Hecke作用素は保型形式を整数論たらしめる重要な作用素である。
Hecke作用素の固有値が代数的整数であるという主張は楕円モジュラー形式の場合には以前から知られていたが、
この結果を多変数保型形式であるHilbert保型形式とSiegel保型形式の場合に拡張する。
保型形式のHecke固有値を有理数体に添加してできる体をHecke体といい、Hecke体は有限次代数体であることが知られている。
上記の代数的整数性と表現論的手法を組み合わせることで、GL(2d)やSp(2n)といった高次の群上の保型形式に付随するHecke体の有理数体上の次数を評価することができる。
本研究は佐久川憲児(信州大学)との共同研究である。