同種写像署名方式SQIsignとDeuring対応計算アルゴリズム
暗号学セミナー
開催期間
2024.8.27(火)
15:00 ~ 16:30
15:00 ~ 16:30
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 IMIオーディトリアム W1-D-413 *オンライン(Zoom)とのハイブリッド開催
講演者
小貫 啓史(東京大学)
概要
SQIsignは同種写像を用いた署名方式であり, NISTによる耐量子署名方式の追加公募の候補の1つである. 方式の特徴として, Deuring対応を利用することでゼロ知識証明を構成する点が挙げられる. Deuring対応とは, 超特異楕円曲線と四元数代数の極大整環の間の対応である. この対応のもとで, 四元数代数の極大整環のイデアルは楕円曲線間の同種写像に対応する. このイデアルから同種写像への対応の計算(Deuring対応計算)がSQIsignの計算におけるボトルネックとなっている.
本講演では, SQIsignに関する最近の研究を概説したのち, 講演者による2次元同種写像を用いたDeuring対応計算アルゴリズムを紹介する. このアルゴリズムは, 定義体の標数を適切に取ることにより従来のアルゴリズムよりも高速となる. さらにこのアルゴリズムのSQIsignへの応用について述べる.
この研究成果はNTT社会情報研究所の中川皓平氏との共同研究によるものである.
(連絡先:縫田 nuida@imi.kyushu-u.ac.jp )