Minimaxity under the half-Cauchy prior
開催期間
16:00 ~ 17:00
場所
講演者
概要
Polson and Scott (2012, Bayesian Analysis) は, sampling と prior の両方に正規分布を想定するベイズモデルにおいて,尺度母数の hyper prior として,half-Cauchy prior を推している。p変量正規分布の推定問題において,half-
Cauchy prior のもとでのベイズ推定量のリスク関数の振る舞いの良さがその根拠である。彼らは,描いたグラフに基づき,half-Cauchy prior のもとでのベイズ推定量がミニマクス性を持ちそうであると予想している。
実は,half-Cauchy prior のもとでのベイズ推定量のミニマクス性は研究されてこなかった。尺度母数を変数変換したとき U 字型になり,連続型の spike and slab prior と見なせるのが half-Cauchy prior の大きな特徴である。
しかし,U字右側の発散が,ミニマクス性を理論的に証明する際の典型的な道具として用いられてきた部分積分を妨げるからである。
本講演では,以下のステップで,次元pが7以上の場合に half-Cauchy prior のもとでのベイズ推定量のミニマクス性を理論的に示す。
(1) 部分積分を工夫して,half-Cauchy prior のもとでの Stein's unbiased risk estimate を求める。
(2) Stein's unbiased risk estimate に基づきミニマクス性の十分条件を求める際に,合流型超幾何関数の比の評価が鍵となる。その合流型超幾何関数の比を適切に下から抑える。
(3) p >= 11 の場合には,代数的に表現されるミニマクス性の十分条件を満たすことを示す。
(4) 7 <= p <= 10 の場合には区間演算を用いてミニマクス性の十分条件を満たすことを示す。