$p$-勾配流の一意性とパラメータ変換
幾何学セミナー
開催期間
2024.12.20(金)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
W1-D-313
講演者
下山 翔(東京大学)
概要
【講演要旨】話の舞台は距離空間とその上の関数である.実数$p \in (1, \infty)$に対し,$p$-勾配流とは,関数値を最も減少させる方向に発展しその発展の速さが$p$で制御される距離空間内の曲線である.$p=2$の$p$-勾配流が,みなさんご存じの通常の勾配流を距離空間に一般化した対象である.
一般の$p$に対する$p$-勾配流の性質の理解は,$p=2$の場合に比べると進んでいない.例えば,関数がある凸性を満たし,距離空間が"無限小にヒルベルト空間っぽい"ならば,$2$-勾配流が一意に存在することが知られている.しかし,この設定においてさえ,一般の$p$に対する$p$-勾配流の一意性は不明であった.
本講演では,一般の$p$に対する$p$-勾配流の一意性について,具体例を交えて紹介する.