同種写像グラフを利用したハッシュ関数の安全性について
暗号学セミナー
開催期間
2025.6.3(火)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
九州大学伊都キャンパスウエスト1号館 4階 IMIオーディトリアム (W1-D-413)
*オンライン(Zoom)とのハイブリッド開催
*オンライン(Zoom)とのハイブリッド開催
講演者
大橋 亮(東京大学)
概要
証明可能安全な暗号学的ハッシュ関数の構成法として、同種写像グラフを利用する手法がいくつか提案されている。代表的な例として2006年にCharles-Lauter-Gorenによって提案された、超特異楕円曲線間の2-同種写像グラフを用いるもの(CGLハッシュ関数)が挙げられる。その2次元版として2020年にはCastryck-Decru-Smithが、超特別アーベル曲面間の(2,2)-同種写像グラフを用いたハッシュ関数を提案している。さらに最近では、超特別3次元アーベル多様体間の(2,2,2)-同種写像グラフを用いたハッシュ関数の実装例も報告されている。本講演では、これらのハッシュ関数の構成法とその安全性評価について紹介する。特に2次元の場合において、初期頂点を適切に定める必要があることを最近の研究結果から示す。なお、本講演の内容は東京大学の小貫啓史氏との共同研究の成果に基づく。