正則木上の単純ランダムウォークが頻繁に訪問する点について
九州確率論セミナー
開催期間
2025.11.14(金)
16:30 ~ 18:00
16:30 ~ 18:00
場所
W1-D-725
講演者
阿部 圭宏 (東北大学)
概要
グラフ上の単純ランダムウォーク(SRW)が頻繁に訪問する点(thick point)の研究は古くからなされています.
特に2次元格子の場合は解析が困難であることが知られていますが,局所時間の最大値に対する大数の法則やthick pointの個数に関する極限定理などが既に得られています.しかし,局所時間の最大値の法則収束や対応する極値過程の収束などは未解決のままです.
Biskup-Louidor (2024)は,2次元格子の場合よりも解析しやすい正則木上のSRWの局所時間を考え,その最大値が法則収束することを示しました.それに続く自然な問いとして,「対応する極値過程は収束するか?」が考えられます.
本講演では,その極値過程があるPoisson点過程に収束する,という結果を紹介します.
本講演はMarek Biskup氏 (UCLA)との共同研究にもとづきます.