RCD空間上の動径過程について
開催期間
2017.5.23(火)
16:45 ~ 17:45
16:45 ~ 17:45
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 4階 IMIオーディトリアム (W1-D-413)
講演者
桒田 和正 (東北大学)
概要
距離空間上の確率過程について,参照点からの距離を考えることで新しい1次元確率過程(動径過程)が得られる.特に,空間に標準的に付随する拡散過程に対しては,幾何解析的方法による距離関数の評価から対応する動径過程を調べることができる.このような研究はRiemann多様体上のBrown運動については80年代から知られており,(Ricci)曲率の評価とBrown運動の挙動をつなげる重要な手法と言える.本講演では,然るべき意味でRicci曲率が下に有界な測度距離空間(RCD空間)上へとそれらの結果が拡張できることを紹介する.空間の特異性故に通常の微積分による(確率)幾何解析的な手法の適用は困難であるが,その代わりにDirichlet形式の理論が援用できる.
本講演は,福岡大学の桑江一洋氏との共同研究に基づく.