A functional analysis proof of Gromov’s polynomial growth theorem
開催期間
2015.11.19(木)
16:30 ~ 17:30
16:30 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 講義棟302
講演者
小澤 登高 (京都大学)
概要
群Z^d内の半径nの「球」の体積は(係数を無視すれば)大体n^dの速さで大きくなる。この事実はさらに一般に冪零群にまで拡張できる(Milnor, Wolf 1968)。その逆も成り立つというのがM. Gromov (1981)による著名な多項式増大度定理である。即ち「多項式増大度を持つ有限生成群は、有限指数部分群で冪零なものを持つ。」Gromovの証明は、群を幾何学的対象としてとらえ、その連続極限として現れる局所コンパクト群にヒルベルト第5問題の解決を適用するという壮大なもので、その後の幾何学的群論の発展の礎となった。2007年にはB. Kleinerによって、多項式増大度定理の解析学的な別証明が与えられた。別証明は初等的ではあるが、大変にハードなものである。私はごく最近、さらなる別証明を発見した。新証明は関数解析学的なものであり、単純かつ極めてソフトなものである。談話会ではこれについて話をする