複雑ネットワークと制御理論
開催期間
2015.7.2(木)
16:30 ~ 17:30
16:30 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス 数理学研究教育棟3階 大講義室2
講演者
阿久津 達也 (京都大学)
概要
遺伝子やタンパク質などの成す生体内ネットワークや人間関係の成す社会的ネットワークなど現実のネットワークの多くは次数分布がべき乗則に従うなどの共通の性質を持ち、複雑ネットワークの名のもとに様々な研究が行われてきた。そして近年、Barabasiらにより複雑ネットワークと線形制御理論の関係が見いだされ、多くの研究が行われるようになった。最近、演者は東邦大学のJose Nacher氏との共同でグラフ理論における最小支配集合と複雑ネットワーク制御との関係を見出し、非一様性が高いネットワークの方がより少数の頂点を制御するだけでネットワーク全体を制御できるという、一見、Barabasi らの結果と矛盾する結果を導いた。現在は、より頑健な制御など、その様々な拡張を試みている。