ヒューマンセントリック社会の時代に数学に期待すること
開催期間
2014.4.16(水)
16:45 ~ 17:45
16:45 ~ 17:45
場所
九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 大講義室1(数理・IMI図書館棟3F)
講演者
河村 薫 (株式会社富士通研究所 ものづくり技術研究所)
概要
4月 IMI Colloquium
日時:2014年4月16日(水)
16:45-17:45
場所:九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所
大講義室1(数理・IMI図書館棟3F)
講師:河村 薫 氏(株式会社富士通研究所 ものづくり技術研究所 特任研究員)
講演タイトル:ヒューマンセントリック社会の時代に数学に期待すること
講演要旨:
ICTの世界で、ヒューマンセントリック社会へのパラダイムシフトが進んでいる。既にICTが活用されている物理シミュレーションの世界では、ベースとなる方程式(モデル)を作ったのは数学者であることが多かった。当然、ヒューマンセントリック時代においても数学者に期待することは多い。人間を扱うためには、数の学問としての数学の領域を超えた新しい科学が必要になるだろう。文化人類学、心理学、社会学、行動科学、精神医学、哲学などさまざまな学問が関係するかもしれない。最近は数学出身者が、データサイエンティストとして、もてはやされているが、これは本来数学者がやるべきことだろうか。長期的視点で数学者に期待するのは、「人間の計算モデル」の確立である。将来のICT研究の基盤となる全く新しい計算モデルが出てきてほしい。最近のニュースでは、IBMのワトソンがクイズ番組で人間を負かしたり、コンピュータがプロ棋士に勝ったり、ロボットが東大の入試に挑戦したり、コンピュータに小説を執筆させたり、ICTと人間の接点に関わるものが多く出てきている。数学界から、ヒューマンセントリック時代に向けたメッセージを発信してほしい。