Lubin-Tate の状況下での過収束性および多変数Robba環について
代数学セミナー
開催期間
2021.5.21(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
Zoomによるオンライン開催
講演者
高田 芽味 (九州産業大学)
概要
pを素数とし, p進体KおよびKに含まれるp進体Fを考える. KのF係数Galois表現にF過収束性という性質が定まる. Fがp進数体 Qp のときは, Lubin-Tate 拡大は円分拡大(の不分岐捻り)となり, 全てのp進Galois 表現は過収束であることが Cherbonnier-Colmez によって示された. これは, たとえば Colmezらによる GL2(Qp) のp進局所Langlands対応の構成や種々の性質の証明に随所に現れる, 基礎的かつ重要な定理である. 一方で, F がQpより真 に大きい場合は, かなりの部分の表現が過収束でなくなってしまうことが, Fourquaux-Xieの研究により推察できる. 本講演では, まず, 講演者による過収束性に関する結果をふたつ紹介する. 不幸なことに, これらの結果は, 一般のFではF過収束性がかなり強い条件であることを強調してしまう. これを打開する方法の一つとして, Berger は, 多変数Robba環を用いることを提唱している. 講演の後半では, これについての講演者の最近の試みについて論じる.