3次元球面内の曲面の不変量について
トポロジー金曜セミナー
開催期間
2021.2.16(火)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 4階 IMIオーディトリアム (W1-D-413)
講演者
栗原 寛明 (九州大学大学院数理学府)
概要
本講演では, 3次元球面内の向き付け可能連結閉曲面の不変量について得られた結果を発表する. このような曲面の研究は1950年代から1970年代にかけてFox, Homma, Tsukui, Suzuki 等により盛んに研究され, 3次元多様体論や基本群を用いた研究方法が主流であった. 本講演では, 彼らの研究方法とは異なる視点で以下のようなアイデアで不変量を構成する. 3次元球面内の曲面はそれを2つの部分多様体に分ける. すると, Heegaard分解を考えることで, それぞれの部分多様体をハンドル体と圧縮体のペアに分解することができる. これにより, 2成分ハンドル体絡み目が得られ, そのような2成分ハンドル体絡み目は, 曲面の外部のHeegaard分解の安定化を法として一意的に定まる. 本講演では, 代数的な系であるカンドルの G 族を用いて2成分ハンドル体絡み目の安定同値類に対する不変量を構成することで3次元球面内の曲面の不変量を構成する. そして, 具体的な曲面に対して不変量を計算することで, それらが同値な曲面でないことを見る.
※ 本セミナーは学位論文公聴会として開かれますが、普段のトポロジーセミナー
と同様にご参加いただけます。