deformed Hermitian Yang-Mills計量の存在問題に対する幾何学的フローによるアプローチ
トポロジー金曜セミナー
開催期間
2020.11.6(金)
16:30 ~ 17:30
16:30 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 4階 IMIオーディトリアム (W1-D-413) 及び Zoom配信
講演者
高橋 良輔 (九大数理)
概要
半平坦SYZミラー対称性において,deformed Hermitian Yang-Mills (dHYM)計量はspecial Lagrangianのミラー版として現れる正則直線束上の計量である.同様に,Lagrangian Mean Curvature Flow (LMCF)のミラー版としてJacob-Yauによって提唱されたLine Bundle Mean Curvature Flow (LBMCF)があり,LMCFと似た性質を多く持つことが報告されている.しかしながら,LMCFの時間大域的挙動については未知の部分が多く,例えばspecial Lagrangianの存在を仮定してもフローが有限時間で爆発する例も報告されている.本講演では,LBMCFについて次の2種類の観点から考察を行う:
(A) Kähler曲面上ではdHYM計量の存在条件はあるコホモロジー類の正値性と同値であることが知られている.そこで,この条件を半正値性に緩めた状況でLBMCFの爆発を調べる.
(B) 近年,Collins-YauによってdHYM方程式の幾何学的不変式論的解釈が構成されている.そこで,この視点からLBMCFの方程式を見直すことにより,新しい幾何学的フローを導入する.そして,新しいフローがLBMCFと比較してより大域的な収束結果を持つことを示す.
※ このセミナーは幾何学セミナーとの合同セミナーです。
※ このセミナーはオーディトリアムでの対面(約30名(入場制限を設ける予定です))
とZoomの両方での開催になります。