2 次形式論の数理結晶学への応用について
代数学セミナー
開催期間
2019.6.14(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中講義室 W1-C-513
講演者
富安 亮子 (九州大学)
概要
Kaplansky予想は、3変数正定値二次形式のZ上表現の集合が完全に一致するならば、regularと呼ばれる2次形式の定数倍になるか、またはR^2でパラメトライズされる2つの無限系列のいずれかに含まれる、というものである。この問題は、数論の2次形式の分野で関心を持たれるものになっており、さらに、数理結晶学のデータ解析の問題にも関わる。これまでに徹底探索の結果から示唆される結果と、Kaplansky予想の状況を含む、より一般的な状況で、二つのR係数2次形式のQ上の表現が一致するならば、それらは互いの定数倍と同値になるという理論的な結果が得られている (https://arxiv.org/abs/1703.08854)。証明にはBhargavaによる3変数2次形式のペアと4次環の対応関係を使用した。
上記は昨年から様々な場所で講演する機会があったので、今回は、代数・整数論の発展的応用につながる数理結晶学分野の問題として他にどのようなものがあるか、という点にも触れる。