ファイバー和分解不可能で極小な種数2のLefschetz fibrationの存在
トポロジー金曜セミナー
開催期間
2019.2.4(月)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 小講義室 W1-C-514
講演者
門田 直之 (岡山大学)
概要
Lefschetz fibrationとはLefschetz型の特異ファイバーを許す球面上の曲面束のようなものであり, わずかな例外を除いて全空間はシンプレクティック構造をもつ. 逆に, 何回かのblow-upを施すことで, 任意の4次元シンプレクティック多様体はLefschetz fibrationを許容する. このような理由から, Lefschetz fibrationは4次元トポロジーにおいて活発に研究されてきた. さて, すべての4次元シンプレクティック多様体は極小モデルをもつことから, 極小な4次元シンプレクティック多様体を考えることは標準的な設定といえる. StipsiczはLefschetz fibrationのファイバー和により得られるLefschetz fibrationの全空間は極小になると予想し, 後に, Usherにより肯定的に証明された. 本講演ではこの逆が成り立たないこと, すなわち, 全空間が極小だがファイバー和分解されない(種数2の)Lefschetz fibrationが存在することを示す. 本研究はAnar Akhmedov氏(ミネソタ大学)との共同研究である.