整数のFourier係数をもつ次数2のHermiteモジュラー形式環の構造について
代数学セミナー
開催期間
2019.5.15(水)
15:30 ~ 16:30
15:30 ~ 16:30
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 大講義室 W1-C-502
講演者
菊田 俊幸 (福岡工業大学)
概要
Fourier係数が全て整数であるような1変数(レベル1の)モジュラー形式がなす次数付き環は、重さ4、6のEisenstein級数と、重さ12のRamanujanのデルタ関数によって生成されることが古典的な結果として知られている。次数2のSiegelモジュラー形式の場合には、井草による有名な定理があり、それらの環は15個のモジュラー形式で生成されることが知られている。本公演では、Gauss数体上の次数2のHermiteモジュラー形式の場合について、重さが4の倍数のものからなる部分環が、24個のモジュラー形式によって生成されることを紹介する。尚、Siegelモジュラー形式の場合は、井草の結果の帰結として、重さが4の倍数のものは23個のモジュラー形式により生成されることが分かる。