Galois表現に沿った類数の漸近的下界について
代数学セミナー
開催期間
2018.12.21(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中講義室 W1-C-512
講演者
大下 達也 (愛媛大学)
概要
p を素数,Kを代数体とし,T をある適当な条件を満たすようなK の絶対Galois群の有限次元p進表現の格子とする.正の整数nに対して,T/p^n Tの固定化部分群で固定されるようなK の代数閉包の最大の部分体を K_nと書く.本講演では,T のSelmer群を用いて,拡大塔 { K_n }_n に沿ったイデアル類群の p-Sylow 部分群の位数の漸近的下界を与える.これを応用することで,適当な条件を満たすK 上定義されたアーベル多様体 A が与えられたとき,Mordell-Weil群 A(K) の情報を用いて,A の p 冪捻じれ点の座標を添加して得られるKの拡大体の塔に沿った,類数の p 冪部分の明示的な下界を与えることが出来る.尚,本講演で紹介する結果は,A がCMアーベル多様体である場合に関するGreenberg氏と福田-小松-山形3三氏による結果と,A が楕円曲線である場合に関する西来路-山内両氏と平之内氏による結果の統一的な一般化と見做せる.