非コンパクトシンプレクティック多様体に対する同変Riemann-Roch数
トポロジー金曜セミナー
開催期間
2017.7.7(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 小講義室 W1-C-514
講演者
藤田 玄 (日本女子大学)
概要
前量子化束つきのコンパクトシンプレクティック多様体に対してRiemann-Roch(RR)数という不変量が概複素構造に付随するDirac作用素のFredholm指数として定義される. Kahler幾何の状況では, RR数は前量子化束の正則切断の空間の次元に対応する. コンパクトリー群の作用がある状況ではRR数は群の仮想的な表現を与え, 幾何的量子化の文脈などから様々な研究がなされてきた. 非コンパクトなシンプレクティック多様体に対しては, Dirac作用素がFredholm作用素にならないため, 一般にはRR数は定義できない.
本講演では, ある種のHamiltonian S^1作用をもつ非コンパクトシンプレクティック多様体に対する同変Riemann-Roch数の定式化について説明する. この定式化は運動量写像の基本的な性質と古田幹雄氏と吉田尚彦氏との共同研究による指数の局所化の理論に基づく. 最後に, M. Braverman, Ma-Zhang, Paradan-Vergneらの横断的楕円型作用素の指数の理論との関係も述べる.