写像の特異点集合と不足符号数
トポロジー金曜セミナー
開催期間
2017.6.9(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 小講義室 W1-C-514
講演者
清水 達郎 (京都大学)
概要
閉$n$次元有向多様体$M$から$R^p$へのMorin写像と呼ばれるクラスの可微分写像の特異点集合は,$M$の部分多様体をなすことが知られている.この特異点集合の$k$重自己交差が定めるホモロジー類と,$M$から$R^{p+k-1}$へのgenericな写像のJacobianが$k$階退化した特異点集合が定めるホモロジー類が,2を法として一致することを示す(ただし$n>p+k-2$).この事実自体はThom多項式等を用いる方法で間接的に示すことができると思われれるが,本講演では幾何的な直接の対応を与える.この証明の利点の1つは$M$が境界を持つ場合に拡張できることである.その応用として3次元多様体の接束の自明化(枠)の不変量である不足符号数と特異点を用いた解釈を与える.