分野別セミナー

(擬)スキーモイドは組合せ的データにより色付けされた射を持つ小圏であり, それは代数的組合せ論研究で重要な役割を果たすアソシエーション・スキームの圏論的一般化である。本講演では, この新しい対象を導入した後, 擬スキーモイドのMitchell埋め込み定理を紹介する。この定理により, スキーモイドからベクトル空間への関手圏上の鎖複体がつくる圏にQuillenのモデル圏構造を入れることが可能になる。さらにスキーモイドに対して, 森田同値の概念を導入し考察する。特にバイナリーコードのハミング・スキームはその階数にかかわらず, 次数２の巡回群から得られるアソシエーション・スキームと森田同値となることがわかる。また上述のQuillenのモデル構造はスキーモイドの森田同値に関する不変量を与えることになる。
この講演は百瀬康弘氏と松尾健太郎氏との共同研究に基づく。