分野別セミナー

球面上に与えられた絡み目ダイアグラムからライデマイスター移動I, IIで可能な限り交差を減らすと，ライデマイスター移動I,IIを１回使って交差を減らせない極小ダイアグラムになる．本講演ではまず，自明な結び目の分離的な成分がない絡み目のダイアグラムに対して，極小ダイアグラムが，ライデマイスター移動I,IIに関して一意的に存在することを示す．また，自明な結び目の非最小な極小ダイアグラムが存在し，これを連結和として使うことにより，任意の絡み目に対して極小ダイアグラムの個数は無限個であることが分かる．そして，ライデマイスター移動I,IIでは移りあわない2つの絡み目ダイアグラムに対して，それらが1回のライデマイスター移動IIIで移り合うならば，一方の極小ダイアグラムにライデマイスター移動III等の簡単な操作を施して，もう一方の同値類に移せることを示す．