Virtual knotのstate numberについて
トポロジー金曜セミナー
開催期間
2015.1.30(金)
16:50 ~ 17:30
16:50 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス 伊都図書館3F*中セミナー室1*(入口は数理棟3F) 受講対象
講演者
上小谷 瞳 (九州大学数理学府)
概要
Virtual knot theoryは, knot theoryの拡張理論として, Louis H. Kauffmanにより1996年に提唱された. Knot theoryにおいてknotとは, 三次元空間内の単純閉曲線であり, それを平面へと射影した図式(knot diagram)で表される. それに対しvirtual knotは, まずvirtual knot diagramという図式が定義され, この図式にextended Reidemeister move により定義される同値関係を与えたときの, 同値類として定義される. 本講演で紹介するstate numberは, 中村拓司らによって導入されたvirtual knotの不変量の一つである. Stateとは, virtual knot diagram のreal crossingをすべて平滑化した状態を指し, その閉曲線の数がnのときn-stateと呼ぶ. 各diagramでn-stateの個数を数え, その最小数をn-state numberという. State numberは, virtual knotの複雑さをはかる指標になるが, 具体的に値を求めるのが困難であることが多い. 実際, 中村らにより, nが3以下のときのn-state numberに関しての評価はいくつか与えられているが, それ以外については知られていない. そこで本講演では, nが4以上のときのn-statenumberに関しての評価を与える.