バルクエッジ対応とBott周期性
トポロジー金曜セミナー
開催期間
2014.12.19(金)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室2
講演者
古田 幹雄 (東大)
概要
物性物理においてバルクエッジ対応と呼ばれる普遍的な現象が知られている。たとえば、結晶が、それ自体は(すなわち「バルク」では)絶縁体であっても、結晶のエッジにそってある種のカレントが流れる現象が見られ、さらに、その「エッジ状態」を数えて定義される「エッジ指数」と、絶縁体のもつトポロジカルな不変量「バルク指数」とが一致し、この現象のロバスト性に対するトポロジカルな背景として知られている。これらの「指数」は系のもつ対称性に応じて適当なK群の要素となる。
バルクエッジ対応には複数の物理的な議論とともに、複数の数学的証明が知られている。ここでは「K理論におけるFubiniの定理」の等式として今ひとつの数学的別証を与え、既存の証明との関係も説明したい。林晋、小谷元子、窪田陽介、松尾信一郎、佐藤浩司の諸氏との共同研究。
なお時間が許せば、亀谷幸生氏との以前の共同研究において4次元スピン多様体上でSeiberg-Witten不変量との関連で考察したひとつの不変量が一種の「バルク指数」と考えられることを説明したい。
※ このセミナーは幾何学セミナーとの合同セミナーです。