Ihara zeta 関数の収束半径に関する Terras の予想
代数学セミナー
開催期間
2017.11.2(木)
16:30 ~ 18:00
16:30 ~ 18:00
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中講義室 W1-C-512
講演者
齋藤 正顕 (早稲田大学 GEC)
概要
ラマヌジャングラフは効率の良いネットワークとして数学的・工学的にも興味深い対象である. ラマヌジャングラフは, 正則グラフに対し, その隣接行列の固有値の満たす条件をもって定義される. その固有値の条件(ラマヌジャン不等式)は, Ihara zeta 関数の極に関する条件(グラフのリーマン予想)と同値になる. 一方で, グラフのリーマン予想は非正則グラフについても定義される. A.Terras はラマヌジャングラフの概念を非正則グラフに拡張するために, 非正則グラフの場合の「ラマヌジャン不等式の候補」(S.Hoory, A.Lubotzky, A.Terras らの研究による)と「グラフのリーマン予想(および, それを弱めたもの)」の間の関係を考察した. 本講演では, 上記の考察を通して Terras が予想(2011年)したIhara zeta 関数の収束半径, グラフのスペクトル半径, 頂点の平均次数に関する不等式について紹介する.