On stable commutator length of Dehn twist along a separating curve
トポロジー金曜セミナー
開催期間
2013.1.25(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
九州大学 伊都キャンパス 伊都図書館3F 小講義室1 (入口は数理棟3F)
講演者
吉原 和也 (九大・数理)
概要
連結な有向閉曲面の写像類群は、その曲面上の向きを保つ自己微分同相写像のイソトピー類のなす群である。この群はタイヒミュラー空間論やLefschetz fibrationの理論、代数幾何学等で重要な役割を持っている。
Gを群とする。Gの交換子群の元xについて、xの交換子長cl_G(x)を、xに等しいGの交換子の積の個数の最小数と定義し、xの安定交換子長scl_G(x)を、cl_G(x^n)/n のnを無限大にしたときの極限とする。安定交換子長は幾何的群論、有界コホモロジーの理論、シンプレクティック・トポロジーなどに関係している。
この講演ではまず、写像類群の重要な元であるDehn twistの安定交換子長についての知られている結果を紹介する。また、分離曲線に沿ってのDehn twsitの安定交換子長が種数に依存することは知られているが、知られている上界は定数であり、よい上界にはなっていなかった。そこで種数6以上のときに、種数に依存する安定交換子長の上界を今回得たので、そのことについて話したい。
(本講演の内容は、門田直之氏(京大数理研)との共同研究による。)