Colmezの乗法的合成積を用いた局所イプシロン同型の構成について
代数学セミナー
開催期間
2016.2.19(金)
14:30 ~ 15:30
14:30 ~ 15:30
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中講義室 W1-C-512
講演者
中村 健太郎 (佐賀大学)
概要
Bloch-加藤の玉河数予想、及び、岩澤主予想の両者を包含する膨大な一般化として、加藤和也氏は、
大域p進ガロア表現の全ての族(のGaloisコホモロジー)に対して、L関数の代数的な化身であるゼ
ータ元が存在し(一般化岩澤主予想)、ゼータ元はL関数と同様の関数等式を満たす(大域イプシロ
ン予想)と予想した。本講演のタイトルにある局所イプシロン同型とは、ゼータ元の関数等式に現れ
る局所因子にあたるもので、ゼータ元の局所版として、全ての局所p進Galois表現の族に対してその
存在が予想されている(局所イプシロン予想)。
一方、乗法的合成積(multiplicative convolution)とは、ColmezによるGL_2(Q_p)に対するp進局所
Langlands対応に関する一連の研究の中で、局所p進Galois表現に付随する(phi,Gamma)-加群に対
して定義されたある演算である。
本講演では、全ての局所p進Galois表現の族に対して、乗法的合成積を用いた局所イプシロン同型の
構成方法についての予想を解説する。予想について証明できた部分、及び、予想(の一部を証明する
過程)から自然に導かれるイプシロン同型の満たす新たな関係式についても解説したい。