トポロジーの応用に関する2つの話題
トポロジー金曜セミナー
開催期間
2011.5.20(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 小講義室 1
講演者
平岡 裕章 (九大数理)
概要
この講演では最近行っているトポロジーの応用研究を2つ紹介します.
1つ目は「ネットワーク符号と層コホモロジー群」です.ネットワーク符号とは
ネットワーク上の各ノードがルーティングのみではなく符号化までおこなう設定
で効率的かつ安定した情報伝送を目指す符号化法です.実用化に向けて幾つかの
解決すべき数学的問題がありますが,この研究では層コホモロジー群やその上で
のホモロジー代数という新しい方向から考察することで接点を探ります
(R. Ghristさん(UPenn)との共同研究).
2つ目はタンパク質の構造解析に計算ホモロジーを応用する話題です.
各原子のファンデルワールス半径から定まるCech複体やRips複体
(及びそのフィルトレーション)でタンパク質をモデル化しそのホモロジー群や
最小生成元を調べることで,柔らかさの特徴付けや反応ポケットの検出等の問題
を考察します(泉俊輔さん(広大)との共同研究).