分野別セミナー

向き付け可能な多様体の systole についての研究において最も重要な
結果の一つは
Gromov により示された、コホモロジー環の構造が安定化された systole と
空間全体体積との間における計量に依存しない不変量を含む不等式として現れる
ことである。
その安定化は向き付け不可能な多様体についてもそのまま拡張されるが、
向き付け可能な場合に現れたような systolic freedom という現象が現れる。
本講演では向き付け不可能な多様体上で現れた systolic freedom を解説し、
向き付け不可能な多様体に対して systole を安定化するための仕組みを紹介す
る。
そしてホモトピー不変量である systolic category への応用も紹介する。