ヒルベルトモジュラー形式に対する明示的な相対跡公式
代数学セミナー
開催期間
2015.5.15(金)
15:30 ~ 16:30
15:30 ~ 16:30
場所
九州大学 伊都キャンパス 数理学研究教育棟3階 小講義室2
講演者
杉山 真吾 (九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
概要
RamakrishnanとRogawskiは正則楕円尖点形式に付随する標準保型L関数の中心値のレベルに関する平均を明示的に計算した。後に彼らの結果はFeigonとWhitehouseによって正則Hilbertモジュラー形式の枠組みに拡張された。また、Hilbert Maass形式の場合に対応する類似物が都築氏によって与えられた。しかし、上記の結果には何れもレベルがsquare-freeであるという制約が課されていた。
本講演では、Maass形式の場合の都築氏の結果と正則の場合のFeigon-Whitehouseの結果の一般のレベルの場合への拡張について説明する。また、
(1)中心L値の非消滅性、
(2)劣凸評価(subconvexity評価)、
(3)Fourier係数の一様分布性、
(4)正則なHilbert尖点形式のHecke体の拡大次数の増大度の評価
(5)正則Hilbertモジュラー形式の場合にL関数の中心微分値の平均の明示式も同様に記述できることも紹介する予定である。
正則の場合の結果は都築正男氏(上智大学)との共同研究である。