頑健なセミパラメトリック差分の差分法とモデル選択
統計科学セミナー
開催期間
2023.7.21(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
C-502大講義室
講演者
馬場 崇充(総合研究大学院大学 先端学術院)
概要
因果推論において,バイアスを除去したうえでAverage treatment effect on the treatedを推定する方法として,傾向スコアを用いたセミパラメトリックな差分の差分法 (SDID) が近年利用されている.これは介入前後の経時的なデータを収集した場合に,共変量の条件付き平行トレンドが仮定できる時に正当化される方法である.しかしながら既存の方法は傾向スコアのモデルが正しく設定されていることが仮定されており,またモデル選択は不可欠であるにもかかわらず,情報量規準は開発途上の段階にある.そこで,本発表ではCovariate balancing propensity scoreをSDIDと組み合わせることでモデルの誤設定に頑健な方法とし,さらに自然なリスク関数の漸近不偏推定量としてモデル選択基準が導出できることを示す.