凸クラスタリングを利用したマルチタスク学習回帰モデル
統計科学セミナー
開催期間
2023.4.19(水)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
C502大講義室
講演者
岡崎 彰良 (九州大学大学院数理学府)
概要
マルチタスク学習とは,タスクと呼ばれる複数のデータ集合を統合し,モデル化を行う方法論である.各タスクに対して個別にパラメータが設定され,タスク間の関係性を考慮することで,タスクごとにモデル化するよりも推定精度の改善が期待される.ネットワークlasso正則化を用いた手法では,タスク間のパラメータ値を縮小することで,タスクのクラスタリングによるマルチタスク学習を実行している.しかし,ネットワークlasso正則化には,異なるクラスタに属するタスク間のパラメータを誤って縮小してしまう問題が存在し,推定精度が悪化する要因となっている.本報告では,ネットワークlasso正則化による手法に対して,さらに,クラスタの重心に関するパラメータを新たに導入したマルチタスク学習手法を提案する.提案手法では,回帰係数として推定されるパラメータと,縮小されるパラメータが分離されることにより,誤った縮小による影響を軽減することができる.提案手法の有効性を,数値実験および実データへの適用を通して検証する.