分野別セミナー

疑似乱数生成に関する2つの話題を取り上げる．変形バケットソートというカードの並べ替えアルゴリズムの中で現れるカードの束の数がオイラリアン数を構成する．これを離散型確率分布としたものがオイラリアン分布であり，これは2項分布より正規分布により近いという性質を持つ．これを利用して，疑似正規乱数の効率的な方法を提案する．さらに正規分布への近似が良いことを利用した，裾の領域の乱数生成についても言及する．次に，物理乱数などの真正乱数のギャップ（2つの値の差）はベータ分布にしたがう．これによりベータ分布にしたがう点列を利用した疑似一様乱数生成法を提案する．この手法は種となる点列(seeds)を1組用意し，それを非復元抽出し，累積値が一様乱数になることが特色である．単純なアルゴリズムでは一様乱数となる累積値が複数回出現するためこれを排除するフィルタや，seedsの理論的な生成方法に言及する．