時空間回帰モデル
統計科学セミナー
開催期間
2022.7.29(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
C502大講義室
講演者
松田 安昌(東北大学)
概要
時空間回帰モデルとは、従属変数、独立変数の両方が時空間データで与えられている回帰モデルという意味である。ここで時間は離散、空間は連続を想定し、空間観測点は不規則であるとする。時間ごとに空間データを平面上の二乗可積分関数とみなし、畳み込み作用素によって時空間回帰モデルを定義する。本セミナーでは、畳み込み作用素をパラメトリックな関数で与え、そのパラメータを推定法を提案する。ここでは、周波数領域におけるWhittle推定法を応用し、一致性、漸近正規性が成立する条件を示す。 通常の関数データ回帰と異なる点に、空間定常性を仮定すれば時間定常性が不要となることがあげられる。一つの非自明な結果として、本モデルではSpurious regression(Granger, 1974)が発生しない。最後に、市区町村別のCovid-19新規感染者数の週次データ(従属変数)、市区町村別に集計した週次の人流(独立変数)として人流増加がCovid-19にどのように影響したかを分析した結果を紹介する。