「拡散過程の誤特定モデルの推定理論と高頻度株価データのニューラル・ネットワーク分析」 開催期間
開催期間
16:00 ~ 17:00
場所
講演者
概要
近年株式市場における株の全取引の情報を記録した「高頻度データ」の利用可能性が高まり,それをボラティリティや共分散といった金融リスク量の推定に用いるような統計解析が研究されている.高頻度データの統計解析では,複数資産の観測時刻が一致しない「非同期観測」の問題と,観測にノイズが混入する「マーケット・マイクロストラクチャー・ノイズ」の問題が生じる.本発表では,株価をパラメータ付拡散過程でモデリングし,それが非同期・ノイズ付観測された場合の未知パラメータの最尤型推定量を構築し,漸近混合正規性や漸近有効性(漸近分散の最適性)等を議論する.まずはパラメトリック・モデルに真のモデルが含まれる場合の漸近論を扱い,その後,真のモデルが含まれない誤特定モデルにおける理論を扱う.誤特定モデルでは最尤型推定量に漸近バイアスが生じ,それを修正した推定量を考えることで最適な収束レートを達成する推定量を考える.誤特定モデルは機械学習によりモデルを学習する際にも現れる問題であり,上記の高頻度データの統計モデルにおいてはニューラル・ネットワークを用いて拡散係数のモデルを構築し,高頻度データの情報量を使った学習が有効である.日本株式市場の高頻度データに対して拡散係数のモデルとしてニューラル・ネットワークを採用した時の株価構造の学習結果についても紹介する.
参加方法:
下記のURLから【11月18日(水)17:00まで】に参加登録をお願いします(所属先の記載も必須です)。承認されましたら、ZoomのURLが届きます。(承認に時間を要することがありますがご容赦ください)
https://zoom.us/meeting/register/tJMkfu-vrTwqHNDrXajlNFsM2r3E-cu4rdSD