ニューラルネットワークを用いたグラフ埋め込みの近似定理とその拡張
統計科学セミナー
開催期間
2018.12.21(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中セミナー室 W1-D-710
講演者
奥野 彰文 (京都大学・理研AIP)
概要
データの各ノードにベクトル表現が与えられ,更にデータ間の関係性を表したグラフが得られている時,データ間の関係の強さを考慮してデータベクトルの次元を削減する手法をグラフ埋め込みと呼ぶ.グラフ埋め込みではもともと線形のモデルが利用されてきたが,近年では最適化技術の発展に伴い,ベクトル値ニューラルネットワーク(Vector-valued neural network, VVNN)を用いた非線形のモデルが用いられるようになった.そこで,本講演の前半ではまず,VVNNを用いたグラフ埋め込みを定式化し,実用上でどのような問題に用いられるかを説明する. 最近では,例えば双曲空間を利用するポアンカレ埋め込みなどといった非ユークリッド空間でのグラフ埋め込みが注目を集めつつある.本講演の後半では,VVNNの内積類似度を用いたグラフ埋め込みが近似できる関数のクラスについて説明し,ポアンカレ埋め込みは単純な内積類似度を用いたグラフ埋め込みで近似できるクラスに含まれないことを説明する.ポアンカレ距離などを含むより広いクラスを近似できるShifted Inner Product Similarity (SIPS)モデルを提案し,SIPSモデルを用いて実データを解析した結果も併せて報告する.本講演は京都大学大学院情報学研究科 下平英寿教授,Kim Geewook氏との共同研究に基づく.