On-diagonal oscillation of the heat kernels on p.c.f. self-similar fractals
九州確率論セミナー
開催期間
2011.2.4(金)
10:30 ~ 12:00
10:30 ~ 12:00
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室3
講演者
梶野 直孝 (京都大学)
概要
*時間にご注意ください。
講演要旨:
フラクタル上の熱核は,古典的なRiemann多様体上の熱核には見受けられない振動を有すると一般に信じられている.例えばSierpinski gasketやpentagasketに代表されるnested fractalにおいては,その熱核$p_{t}(x,y)$が上下の劣Gauss型評価を満たし,特に適当な正数$d_{s}$に対し$t^{d_{s}/2}p_{t}(x,x)$が正定数で上下から評価されることが知られている.そこで$t^{d_{s}/2}p_{t}(x,x)$の$t\downarrow 0$での極限が存在するかという問題が自然に考えられ,結論は否定的であろうと予想はなされていたもののごく限られた場合を除いて証明はされていなかった.本講演ではnested fractalを含むある程度広い枠組みでこの予想に解答を与える.特にSierpinski gasketやpentagasketの上の熱核では,先述の極限の非存在が任意の点において結論されることを見る.