平均的因果効果に対する層別二重頑健推定量について
統計科学セミナー
開催期間
2014.1.24(金)
16:30 ~ 17:30
16:30 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室4
講演者
逸見 昌之 (統計数理研究所)
概要
交絡の影響を調整し平均的因果効果をバイアスなく推定する方法として, 近年, 二重頑健推定量と呼ばれるものが注目されている. これは,傾向スコアによる重み付け推定量と(結果変数に対する)回帰分析に基づく推定量のいわばハイブリッド型推定量であり,前者の傾向スコアに対するモデルと後者の回帰モデルのうち, 少なくともどちらか一方が正しく特定されていれば,平均的因果効果の一致推定量のなるという著しい性質(二重頑健性)を有している. しかしながら,どちらのモデルも誤特定している場合には(当然のことながら)その振る舞いは必ずしもよくない. そこで本研究では,交絡調整法としてもう1つよく知られている, 傾向スコアによる層別解析の方法も組み入れて,モデルの誤特定に対する頑健性を高めた推定量(層別二重頑健推定量)を提案し, その性質について議論する. なお, 本講演の内容は,久留米大学バイオ統計センターの服部聡氏との共同研究に基づくものである.
※ このセミナーに先立ちまして,21日(火)13:00より逸見先生による集中講義「セミパラメトリック推測の理論とその応用」が開講されます.時間の詳細等についてはお尋ねください.
※ 博士課程3年 井上寛氏の博士学位論文公聴会が2月4日(火)16:00より伊都図書館3階中セミナー室7にて行われます.タイトルは「New sufficient conditions for recovery in compressed sensing」です.