集積性検出のための保守的な検定の構成
統計科学セミナー
開催期間
2010.11.12(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室4
講演者
二宮 嘉行 (九州大学 大学院数理学研究院)
概要
ある疾病について発生率の高い地域を検出することは,後にその地域を同定することも含め,疫学における重要な問題の一つとなっている.この検出は一般的には集積性検出と呼ばれ,そのための検定方法はKulldorff (1997)で提案されて以降議論され続けている.この問題では集積性をもつ地域は未知であることが前提となっているため,検定は多重検定として定式化され,p値は通常最大値型の検定統計量の裾確率で表される.しかし最大値型統計量の裾確率は多重積分を必要とするため,容易な計算で裾確率の上界を評価し,保守的な検定の構成することがしばしば行われる.本発表では,そのような評価方法を発展させ,集積性検出のためのp値のある上界を与える方法を提案する.そしてその妥当性を,数値実験を通じて確かめる.