パネルデータに対する分位点回帰
統計科学セミナー
開催期間
2010.7.9(金)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室4
講演者
加藤 賢悟 (広島大学大学院理学研究科)
概要
パネルデータ(経時測定データ)とは,各個人について多期間にわたって 集めたデータのことである.パネルデータを用いる利点として,各個人に依存し た個別効果をモデルに組み込むことで,個人の異質性を抽出できる点があげられ る.一方,分位点回帰とは,説明変数が与えられたときの従属変数の条件付分位 点を推定する統計的手法であり,近年,さまざまな応用分野で注目を集めてい る.一般に,パネルモデルにおいて個別効果をパラメータとみなしたときの共通 パラメータの推定量のことを固定効果推定量と呼ぶ.ここで,個別効果をパラ メータとみなすと,個人数が増えていくに従いパラメータ数も増えていくという 特色がある.本講演ではパネル分位点回帰モデルを考察し,共通パラメータの固 定効果推定量の漸近的な性質を紹介する.