正定値カーネルによる依存性解析とその応用
統計科学セミナー
開催期間
2008.10.8(水)
16:00 ~ 17:00
16:00 ~ 17:00
場所
箱崎キャンパス 理学部3号館 3303号室
講演者
福水 健次 (統計数理研究所)
概要
本講演では、正定値カーネルを用いた新しいノンパラメトリックな統計的推論の方法論と、その応用として回帰における次元削減の方法に関して述べる。
この方法論では、正定値カーネルの定める再生核ヒルベルト空間への写像によって、与えられた確率変数をヒルベルト空間上の一種の関数データに変換する。変換された変数は、もとの確率変数の情報を十分に含んでおり、ヒルベルト空間上で平均や分散、共分散を考えることにより、もとの確率変数の独立性や条件付独立性が特徴付けられることを述べる。また、正定値カーネルを使うことによって、有限サンプルによる推定が容易である点を説明する。
条件付独立性のカーネルによる特徴づけを用いて、回帰問題の設定における次元削減/特徴抽出を行うために説明変数の部分空間を求めるための新しい方法を説明する。従来の類似の方法と異なり、変数や回帰のモデルなどに条件がほとんど不要であり、汎用的な方法を提供している。
また、推定量の一致性など理論的な性質についても述べる。