反標準因子の正値性とファイバーのF純性
代数幾何学セミナー
開催期間
2016.6.30(木)
15:00 ~ 16:30
15:00 ~ 16:30
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中セミナー室 W1-D-610
講演者
江尻 祥 (東京大学)
概要
滑らかな射影多様体の間の滑らかな射が与えられたとき、始空間Xの反標準因子-K_Xの正値性が、終空間Yの反標準因子-K_Yの正値性を誘導することが知られている。例えば-K_Xが"豊富"または"ネフ"ならば、-K_Yもそうであることが、Koll\'ar-宮岡-森により証明されている。さらに基礎体の標数が0のときには、"ネフかつ巨大"または"半豊富"の場合にも同様の性質が成り立つことが、藤野-權業またはBirkar-Chenによりそれぞれ示されている。本講演では標数が正の場合に、豊富性、ネフ性およびネフかつ巨大性についての上記の結果(およびその一般化)を、F特異点の手法を用いて証明する。